わたしは二度ドイツで暮らしたが、一度目は南西ドイツ、フライブルク郊外に住み、そのまま西に進めばライン川の向こうはフランスだった。
それでフランスのTVの電波も入るため、日本の番組が吹き替えられて放送されているのも見ることができた。
そこで確信を強めたのが、TVドラマの方の松田優作主演「探偵物語」(工藤俊作役)を吹き替えたら、パリならば爆発的に受け入れられるだろうということだった。
そして今し方、「越境者 松田優作」(松田美智子著)を読了した。
その直前には、小説「阿寒に果つ」(渡辺淳一著)を読んでいた。
「阿寒に果つ」は映画化され、ヒロイン役が五十嵐淳子だったわけだが、後に、彼女と中村雅俊の結婚式で松田優作が荒れた話が知られている。
二冊を立て続けに読んでいて、二冊目の「越境者~」に、既視感があった。
松田優作の元妻が、没後の優作について、関係者に取材して回るスタイルは、まさに「阿寒に果つ」の構成に近かった。
「阿寒に果つ」も、亡くなったヒロインについて、かつて彼女に恋した男が、関係者を回って取材していく、そういうストーリーだからだ。
一ファンとして、松田優作の詳細を知ることができたのは、「越境者~」の著者が人生で味わった苦悩と甘美に拠るものだった。
最後の映画作品となった「ブラック・レイン」や優作自身については、わたしも詩集「薔薇 詩集」で、詩として触れている🌹

