わたしに降臨した聖霊は
生ける青い薔薇の姿を選んだ
花弁の一枚一枚がイソギンチャクの触手のように蠢き
旋回しながら 降りて来て
やがて わたしの顔を覆い
花弁の一枚がわたしの右の耳たぶに触れた
「あ、聖霊が触れてくださった」と
思った瞬間に
それはわたしの右胸の辺りに吸い込まれた
花弁に温感はなく
感触だけが 残っている
以来、聖霊は、わたしの内に
永遠に棲まうことになった
Blue Rose (藍森文庫)
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わたしに降臨した聖霊は
生ける青い薔薇の姿を選んだ
花弁の一枚一枚がイソギンチャクの触手のように蠢き
旋回しながら 降りて来て
やがて わたしの顔を覆い
花弁の一枚がわたしの右の耳たぶに触れた
「あ、聖霊が触れてくださった」と
思った瞬間に
それはわたしの右胸の辺りに吸い込まれた
花弁に温感はなく
感触だけが 残っている
以来、聖霊は、わたしの内に
永遠に棲まうことになった
Blue Rose (藍森文庫)